包装紙の印刷作成はハンワにおまかせください
 

三越の包装紙と、アンパンマンの意外な関係

 戦前、百貨店の包装紙といえば印刷も地味なもので、紙質についても決して高級なもので作成されてはいませんでした。
そんな中、他店に先駆けて包装紙に力を入れ始めたのが三越百貨店でした。
1950年、「戦後の暗い世相に光を」との考えによる、日本で初めての試みでした。

 包装紙のデザインを手がけたのは、猪熊弦一郎画伯。「華ひらく」と名づけられたそのデザインは、画伯が千葉の犬吠埼を散策中、海岸で波に洗われる石を見て、「波にも負けずに頑固で強く」をテーマにしようと考えたことから生まれました。包装紙のデザインを画伯に依頼し、出来上がった作品を受け取りにいったのは、当時三越宣伝部の社員だった漫画家、やなせたかしさん。彼の名は、アンパンマンの作者として、その後誰もが知ることとなります。抽象的なデザインの赤い切り抜きが白い紙にテープで仮止めされただけのデザイン画には、やなせさんも驚いたものの、商品を包んでみるとそれこそ花が開いたようにぱっと明るくなるのを見て「さすが猪熊画伯」と感心したそうです。
その後、やなせさんの手で「mitsukoshi」のロゴが書き入れられたものが印刷され、完成しました。
何とも豪華な巨匠のコラボレーションですね。

その後、現在に至るまで半世紀以上もの間、三越のシンボルとして愛されてきた「華ひらく」。
永らくの間、日本の百貨店包装紙の代名詞的存在として君臨しつづけてきました。
注文したギフトが、三越の包装紙でしっかり相手に届くのかを何度も確認されるお客様も多いとか。
その為か、大阪に2011年にオープンした三越伊勢丹では、何も頼まなければ伊勢丹の包装紙ですが、依頼をすれば三越の包装紙で包んでもらえるというサービスが行われているそうです。

包装紙は、お店の顔でもあり、お客様の信頼も背負っているんですね。